おはなし1

ひらけていく海




あなたは、海を見たことがありますか。青く広がった海。はるかな遠い水平線。よせてくる波、くだけちる波。海を見ていると、心が広がっていくような気がします。

わたしたちの住んでいる日本は、海にかこまれた国です。いったい、地球上で、海と陸とでは、どちらが広いのでしょうか。それは海です。海は、地球の表面の10分の7をしめているのですから、海の方が、陸地よりはるかに広いのです。

広いだけではありません。陸地でいちばん高い所は、エベレストという山のいただきの、8800メートルあまりですが、太平洋の中にある、海でいちばん深い所は、1万1千メートル近くもあるのです。また、もし陸地をけずって海をうめたとしたら、地球全体は、深さ2400メートルの海になってしまうことが、計算されています。

この広くて深くて大きな海を、人間は昔から、いろいろなことに使ってきました。まず第一に、海にすむ魚や貝、海草などを取って、食べ物にしてきました。第二に、船をうかべて、ほかの土地と行き来をしたり、重い物を運んだりしました。ほかの国の人と品物を売り買いするのにも、船にのせて、海の上を運びました。

第三に、海水の中にふくまれているいろいろな物を、取り出して使ってきました。たとえば塩です。陸地全体を150メートルのあつさでおおってしまうほどたくさんの塩が、海水にとけています。人間は、昔から、それを取り出して使ってきました。海水には、そのほか、金・銀・どう・なまり・アルミニウムなどもふくまれています。
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