みんなも、よく鉛筆の文字を消すのに消しゴムを使うよね?あの消し
ゴムは、なぜ鉛筆の字を消せるのか、知ってるかな?
ノートなど、紙
の表面は平らに見えるけど、顕微鏡(けんびきょう)で拡大(かくだい)
して見ると、紙の繊維(せんい)がからまった草むらみたいなものなん
だ。だから、鉛筆で書くと、そこに芯(しん)の黒くて細かい粒(つぶ)
がくっついて字になるんだよ。消しゴムは、その粒を草むらから取り除
いているんだ。
どうやって取り除くのかというと・・・。
今、主に使われ
ている塩化(えんか)ビニル製のプラスチック消しゴムには、軟らかく
するための油が使われているんだよ。その油は鉛筆の黒い粒と結び
つく力がとても強いんだ。粒が紙につく力の数百倍もあるので、粒を
草むらから吸い取ってしまうんだよ。
でも、黒い粒が消しゴムについた
ままだと、粒を吸い取る力がだんだん弱くなって消しにくくなるんだ。
そこで、粒がついた部分をカスにして捨(す)てているんだよ。そうす
ることで、消しゴムに粒がついていないきれいな部分が現れて、消す
力が元に戻るんだ。
でも、消しゴムで、ペンや色鉛筆で書いた字は
消せないよね。これは、ペンの字は、鉛筆のような粒じゃなくて、イン
クが紙の繊維にしみこんでいるからなんだ。だから、鉛筆のように消
せないんだね。「砂消しゴム」といって、ペンの字を消せる消しゴムも
あるけれど、これは、砂のようなものが入っていて、インクを紙の表面
の繊維ごと削り取ってしまうんだ。だから、消すたびに紙は薄くなる
し、何度も消すと穴が開いてしまうこともあるね。色鉛筆の字の方は
粒なんだけど、色の成分がベタベタしていて、消しゴムが粒を吸い取
るのを邪魔してしまうんだよ。ただ、最近は消しゴムで消せる色鉛筆
も出てきてるよね。
そういえば、消しゴムはプラスチックなのに、なん
で「ゴム」なのか、知ってるかな?
それは、消しゴムが、18世紀にイ
ギリスで発明されてから、ずっと天然ゴム製だったからなんだ。プラス
チック消しゴムは50年ほど前に日本で発明されたものなんだよ。
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