付喪神


付喪神(つくもがみ)、九十九神ともいわれる妖怪のことを知っているかな? 『付喪神記』というう書物(しょもつ)なんかで有名な妖怪たちなんだ!!


陰陽雑記(おんみょうざっき)に云(い)う。器物百年(きぶつひゃくねん)を経(へ)て、化(か)して号(ごう)すと云(い)へり。人の心を誑(たぶら)かす、これを付喪神(つくもがみ)と号(ごう)すと云(い)へり。これによりて世俗(せぞく)、毎年立春(まいとしりっしゅん)に先立(さきだ)ちて人家(じんか)の古道具(ふるどうぐ)を払(はら)い出(い)だして、路次(ろじ)に捨(す)つる事侍(ことはべ)り。これ煤払(すすはら)いと云(い)ふ。
これすなわち百年の一年たらぬ付喪神の災難(さいなん)にあはじとなり



簡単にいうと、長い年月がたつと器物(きぶつ)(タンス、傘、鏡などの物のこと)は妖怪に変化(へんげ)するんだ。大掃除のときに捨てた古道具たちが付喪神に変化するんだよ。
他にも、時代が新しくなってもの文明が進むにつれて自然や動物への畏怖(いふ)が減って、自分たちの身近に増えたものに魂(たましい)が宿(やど)ると考えられるんだ。
その姿は『付喪神絵巻』(つくもがみえまき)や『百鬼夜行抄』(ひゃっきやこうしょう)にその姿が描(えが)かれているんだよ。



付喪神の一例

雲外鏡(うんがいきょう) いろいろな妖魔(ようま)の形を映(うつ)し出し、その正体を見破(みやぶ)るという照魔境(しょうまきょう)が動き出した妖怪
骨傘(ほねからかさ) 古い傘の怪。雲を起こし、雨を降らすという鴟吻(しふん)<北海に住む龍頭(りゅうとう)の魚>を図案化(ずあんか)したらしい・・・・



他にもたくさんの付喪神がいるんだよ。例えば、瀬戸物(せともの)の付喪神の「瀬戸大将(せとたいしょう)」やお琴の付喪神の「琴古主(ことふるぬし)」、名器(めいき)といわれ、火事のときに自分で飛び出したという話が残っている「琵琶牧々(びわびぼくぼく)」なんかがいるよ。
みんなの周りの物も魂を持っているかもね。