プレーボーイの光源氏の恋多き一生を描いた大長編物語 源氏物語 @内容 A世界に愛される『源氏物語』 補足:二千円札について (2)作者について ![]() (1)作品について @作品の内容 物語は、主人公光源氏の生涯、また光源氏の死後のドラマまで語っていく、長編の物語です。物語の流れは三部に分けられます。 第一部:光源氏の出生から約四十年の話 光源氏が様々な体験を経た後、ついには栄華を極めることになるまでが描かれています。 第二部:光源氏の晩年 徐々に周りの人たちも離れていき、彼が人生の苦悩に直面する話です。 第三部:光源氏の死後 光源氏の血を引く若者たちが主役になり、光源氏の人生の苦悩と同じように、悲恋のドラマが展開しています。 A世界に愛される源氏物語 『源氏物語』は、世界中で読まれています。日本では、与謝野晶子さんや、谷崎潤一郎さん、瀬戸内寂聴さんによって現代語訳がされています。また、英語やドイツ語、フランス語などにも翻訳されているのです。 ○補足:二千円札の話 2000年に発行された二千円札の裏の図柄は、「源氏物語絵巻」の1カットと、その文章の一部、さらに紫式部を描いた絵を組み合わせたデザインになっています。二千円札なんか見たことない人も多いかと思いますが、ちゃんと存在しています。見る機会がありましたら、人物に注目すると面白いかもしれません。光源氏たちの人物の描写は、動きもなく単純化されたものですが、それは当時の人気のデザインだったらしいのです。登場人物をあえて個性的に描かないことで、読者が自分だけの世界を作ることができたからなのでしょうか。 (2)作者について 作者の紫式部は、平安時代の最高の天才作家で、幼い頃から和歌・和文に優れ、漢文の素養もすばらしかったと言われています。父は、漢文学者でもあった藤原為時で、母とは早く死別しています。996年に越前守になった父親と一緒に北陸に行き、その後、父の同僚であった藤原宣孝と結婚し、翌年に一人娘の賢子を生みます。1001年に夫の宣孝が亡くなったことをきっかけにして、人生の意義を深くみつめるようになった彼女が、その思いをつづった物語が『源氏物語』なのです。 ![]() |