平家一門の栄枯盛衰を描いた軍記物語の最高傑作

平家物語


(0)軍記物語とは
(1)作品について
@内容
A『平家物語』は「読むもの」ではなく「聞くもの」?
(2)作者について




(0)軍記物語とは
 物語の中でも、武士の活躍を中心として合戦の場面を最後に持ってくるパターンの物語を、特に「軍記物語」と呼びます。軍記物語は、その文体が特徴です。平安時代文学の「和文」と、奈良時代以降の公用語である「漢文」が描写の内容によって使い分けられているのです。場面によっては和歌もでてくるし、また、七五調のリズミカルな文体もあり、さらに堅い感じの漢文調もあります。日本語のかもし出す、様々な味わいを楽しむことができますよ。


(1)作品について

@作品の内容

 『平家物語』は、平安時代の終わりに権力の絶頂を極めた平家が、最後には源氏に滅ぼされるまでの史実をもとに作られた作品です。また、最後には平家一門の生き残りとなった女性の建礼門院平徳子(清盛の子ども)の姿を描いています。この作品は、平安時代末期の歴史を理解する手がかりになると思われ、歴史の勉強にも役立つかもしれません。


A『平家物語』は「読むもの」ではなく「聞くもの」?



 『平家物語』は、琵琶法師がそれを語ることで広がっていきました。琵琶法師とは、中国伝来の弦楽器「琵琶」を伴奏に使いながら物語を聞かせる芸人で、僧の衣服をまとった盲目の人です。つまり、『平家物語』は、「読むものではなく聞くもの」として伝わっていったのです。


(2)作者について
 『平家物語』の作者はわかっていません。『平家物語』の場合は、一人の作者が全てを書いたのではなく、何人もの「改編者」が手を加え、現在に残っているような形にしたのです。最初に『平家物語』を記した人はいたのでしょうが、現在は残っていませんし、また現在のものはそれとは異なったものだろうと言われています。『徒然草』226段には、「信濃前司行長」という人物が『平家物語』を書いたと書かれていますが、それも伝承なので本当かどうかはよくわかっていません。

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