三味線コラム






見た目


かっこよく、美しい。これに尽きると思います。
白い胴と濃い色の棹、色鮮やかな胴かけと音緒。

色彩的にも鮮やかですが、 丸みを帯びた四角形の胴とそこから伸びる真っ直ぐな棹と上部の糸巻きと天神。 もうこれは芸術品です。

しかし、三味線の本当にすごいところは演奏者まで美しくする、ということなのです。
詳しくは下の”演奏者”で。



音色


ピアノなどの、癖のない心地よい音色と比べると、 三味線の音色は癖が強く、癇に障る、よくわからない、 という人が多いように思います。

音が途切れる、音が大きい、バチバチ鳴る、ビィーンという音が気にかかる。 私は、それが醍醐味だ、と思います。

三味線に限らず、和楽器は”音色”が勝負だと思います。 木や竹、皮などでできている和楽器の音色は、繊細で味わい深いものです。

聞く、ではなく心をこめて”聴く”ことで和楽器の魅力は伝わるのではないでしょうか。



演奏者


”見た目”でも触れましたが、三味線を正しく弾くと演奏者は美しくなるのです。
どういうことかというと、まず構え方が非常に難しいのです。

背筋をぴんと伸ばして、正座した膝の上に三味線を置き、腕で支えるわけですが、 三味線は重いし、膝と腕の2点で支えるのでなかなかバランスがとれない。

しかも、撥は 手首を内側にぐいっと曲げて、小指と人、中、薬指で構えます。 完璧な姿勢で無いと音を出すことも困難なのです。

これができるようになったら、三味線が演奏者にカチッとはまって、美しい姿勢になります。

さらに、三味線は3本しか絃がないため、音程をとるために押さえるツボがとても多く、 耳と感覚でどこをおさえたらどんな音が出るかを覚えます。

調弦もすぐにずれるので、本当に自分の感覚が頼りです。 三味線を弾きながら、感覚が研ぎ澄まされて演奏者の内側も美しくなっていきます。



伝えたいこと


このホームページを見てくれたあなた、どうでしょう、面白かったですか? 少しでも、三味線に興味を持っていただけたらとても嬉しいです。

私は、三味線に触れ、和楽器に触れ、日本はこんな楽器を作り出した国 なんだなあとしみじみと思うようになりました。

今、学校でも社会でも、「国際化」のために外国語を勉強しよう!という雰囲気が強いですね。
しかし、英語をしゃべる事だけが国際化ではありません。

自分の国の文化を知り、誇りを持ち、その上で全く違う 文化を持つ人たちを認め、交流する。それが真の国際化、 文化人の交流なのではないでしょうか。

日本を知り、日本の文化を誇りに思ってください。 それが国際人というものなのだと思います。
ここが、そのきっかけになれば、と思います。