おいしい煎茶とは、香りもよく渋味(タンニン)とうま味(アミノ酸類)の濃度がちょうどよく、しかも
お互いの調和がよくとれているものをいいます。
使う湯の温度が高いほど、渋味成分の溶け出る割合は高く、また溶け出る速さも早まります。
すなわち熱い湯を使うほど、渋味は強くなります。しかし一方、うま味成分は湯の温度がとくに
低い(40度くらい)場合以外は、溶け出す割合も溶け出る速さも、湯温によってそれほど大きな
差はみられません。
上級茶の場合、湯ざましで70度ぐらいの湯温で、約2分浸出(*1)します。並級茶の場合、90
度ぐらいの湯温で、約1分浸出します。このようにすると、調和のよくとれたものとなるのです。
香気は鼻先に茶碗を近づけたときのみでなく、口中のど越しの際にも、よく感じ取れます。
*1:浸して成分を出すこと