並煎茶から番茶、ほうじ茶になるにつれて、うま味成分の浸出量は少なくなります。湯量を多くして
薄めに出すので、熱い湯を注ぐことでタンニンの爽快な渋味が引き出され、若干の甘味も加わるの
で、やや異なった風味が楽しめます。浸出液中のタンニン量は、番茶、ほうじ茶ともに玉露よりは多
めとなっています。
番茶、ほうじ茶、玄米茶の場合、熱湯を注ぎ、約30秒浸出します。
また簡易な方法としては、やかんに湯をわかし、沸騰したら火を止めて、ひとつかみの茶葉を入れ
ます。3分ごろで飲みごろとなります。茶の葉を入れた後、煮出す人もいますが、味がよりきつくなり
ます。これらのお茶は、一度に大量の浸出液をつくり、冷やして用いても夏には便利です。
番茶は、昭和初期ころまでは、日本で大きく分けても15種類以上もありました。全国各地にそれぞ
れの土地独特の嗜好(*1)が定着(*2)していたようで、そのつくり方もまちまちであり、その味わい方も
いろいろでした。
*1:たしなむこと、好み
*2:しっかりついて離れないこと、固定すること