☆「時間」ってなあに?






今、何時でしょう?
時計の音が聞こえますか?
時間はどんどんすぎていきます。
「時間」って何でしょうか。
目に見えるものじゃないし、手でふれることのできるものでもないし。
つかみようのない存在。
こんなこといってる今も、「時間」はこくこくと過ぎていきます。
本当は、「今」という時は、ないのかもしれません。
「時間」は、「過去」と「未来」の連続なのだと思います。

さて、そんな「時間」なのですが、みんなはいつもどんなふうにつかっていますか?
大切にしてますか?
過ぎてしまった時間は、二度ともどらない。
だから、大切に時間をすごしていきたいですね。


さて、ここで、不思議なお話を紹介します。




このお話は、「時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語」です。

「モモ」(ミヒャエル・エンデ作 大島かおり訳)




この本は、少し長いお話だけど、とってもいいお話です。
本当は、全部紹介したいんだけど、私が全部紹介すると、もったいない気がするから、その中でも私が好きな文をみんなに紹介します。



「とっても長い道路を受けもつことがよくあるんだ。
おっそろしく長くて、これじゃとてもやりきれない、と思ってしまう。」
「そこでせかせかと働きだす。どんどんスピードをあげてゆく。
ときどき目をあげて見るんだが、いつ見ても残りの道路はちっともへっていない。
だからもっとすごいいきおいで働きまくる。
心配でたまらないんだ。
そしてしまいには息が切れて、動けなくなってしまう。
こういうやりかたは、いかんのだ。」

「いちどに道路ぜんぶのことを考えてはいかん、わかるな?
つぎの一歩のことだけ、つぎのひと呼吸のことだけ、つぎのひとはきのことだけを考えるんだ。
いつもただつぎのことだけをな。」

「するとたのしくなってくる。
これがだいじなんだな、たのしければ、仕事がうまくはかどる。
こういうふうにやらにゃあだめなんだ。」

「ひょっと気がついたときには、一歩一歩進んできた道路がぜんぶ終わっとる。
どうやってやりとげたかは、じぶんでもわからん。」




これは、道路掃除夫のベッポおじいさんのおはなしです。
ゴールをめざして、がんばろうとするとき、ゴールばかりをみてすすんでいては、途中でつかれてしまいます。
一歩一歩、ゆっくりとすすんでいくことが大切なのです。
いそいでも、けっきょく同じです。
自分の時間をたいせつに、どんなときも、「たのしさ」をかんじて、生きていけたらいいのにね。



おはなしの世界へ