
『遺跡』というと、自分で埋めた品物を自分で掘り当てて尊敬されていたおじさんを
思い出す・・・
あのおじさんは今ごろ何してるんだろうか?まだこりずに掘り続けているのだろうか。
そうだとしたら、これまでの恥を忘れさせるような「本当の」逸品を見つけてもらいた
いものだ。

ところで、『遺跡』というものはどうしていつも土の中から掘り出されるのだろう?
『遺跡の発掘』には、シャベルやスコップ、ハケを持った人たちが腰をかがめて汗をかき
かき、せっせせっせと土を掘り返しているイメージがある。でもこのように遺跡を隠して
いる『土』は、いったいどこから出てきたものだろうと考えた人はいないだろうか。
ある土地に誰も住まなくなった家があるとして、その家が「遺跡」と呼ばれるようになる
にはどうなっていくのかと考えた。
家というものは誰も使っていなくてもしだいに汚れていくもので、その汚れがどんどんた
まっていくとする。ホコリがたまるし、風にふかれてきたゴミがたまるかもしれない。中
国からふく風に乗って飛んできた砂が積もっていくのもあるだろう。
そうやってどんどん汚れがたまっていくと考えてみよう。
たとえば一年間に一ミリたまるとすると、どうだろう。一ミリなんてちょっとしたホコリ
、生活する人がいれば動き回る風ですぐに吹き飛ばされそうなものである。
しかしこの「家」には誰も住んでいないから、十年間で一センチ、千年間で一メートルも
のゴミやホコリ、砂(土)に埋まってしまうことになる!!これはすごい!!
人間がいなくなっても、いや、いなくなったからこそ自然の力がよけいにハッキリと見え
るのだろうな。
人が何もしなくても、世界は回っているとあらためて思う話でした。