「われこそは、日本一のももたろう!おにどもをせいばつにきた!」
 あっけにとられたおにたちのあたまの上を、いぬがわんわん、さるが
きゃっきゃっ、きじがけんけんと、かみついたり、ひっかいたり、つつ
いたり。 つづいてかいりきももたろうがぽかりぽかり。その強いこと、
強いこと。
 そこへ、いかりくるったおにの親分があらわれた。
「うーん、こしゃくな、こぞう。おれさまがあいてだあ。」
 ももたろうめがけて、太いてつぼうをびゅーんとふりまわす。
 がき〜ん!
 なんと、ももたろうのあたまにぶつかったてつぼうが、ぽきっとおれ
てしもうた。これにはおにのおやぶんもまいった。そのとたん、てつぼ
うをもおるかたいあたまで、おやぶんのあたまにごちーんと、ずつきい
っぱつ!
 しょうぶあった!!
 おにのおやぶん、目をまわしてばったり。
「どうだ、もうわるさしねえか。」
「もう、わるいことはいたしません。おゆるしください。」
 こうして、ももたろうたちは、おにから宝物をとりもどした。
 ももたろうは、おじいさんとおばあさんのところへ、ぶじかえってい
った。
 ももたろうにとって、なによりうれしかったのは、でっかいおにたい
じのゆめを、やりとげたことだったそうな。
                   
                          (おわり)


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