一 漢字の特質
@ 漢字は一字一字がすべて異なった形をもっています。
A 漢字には一字に必ず一つ以上の音があります。
B 漢字は一つまたはそれ以上の意味をもっています。
二 漢字の種類
今から1,900年前、許慎という人が書いた『説文解字』という字書に漢字の
なりたちを六とおりにわけて解説してあります。
漢字の作られ方を説明した「象形・指事・会意・形声」の四つと、
漢字の使い方についての「転注・仮借」の二つをあわせた六つの分類で、「六書」と呼ばれます。
1) 象形文字
象形文字は、ものの形をかたどった簡単な絵を基にして作られた文字で、
「人・刀・大・女・山・川・木・犬・羊・貝・車・馬・魚・鳥」などがその例です。
2) 指事文字
指事文字は、ものの形がなく、絵にできないものを点や線で示したものと、
象形文字にしるしを加えたものがあります。先のものには、「一・二・三・上・下」
などがあり、あとのものには、「本・末・刃」などがあります。
3) 会意文字
会意文字は、二つ以上の文字を組み合わせて新しい文字を作り、
別の新しい意味を表したもので、「保・信・林・鳴・困・岩」などがあります。
4) 形声文字
形声文字は、今まで作られた文字の「意味」をあらわす部分と
「音」を示す部分を組み合わせて作られたもので、「池・材・持・悲・鉛」などがあります。
5) 転注文字
転注文字は、本の意味が変化して他の意味にも使われるようになったもので、
「楽」は、「おんがく」の意味から、音楽が人を楽しませるということで、「たのしむ」という意味が新しく加わり増した。
6) 仮借文字
仮借文字は、もとの意味には関係なく、音を借りて同じ発音のべつのことばをあらわしたもので、
もと「むぎ」の意味の「来」は、「ライ」という音から「くる」という意味に使われるようになりました。

