十二しの はじまり

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むかしむかし、そのむか〜し。

やまおくで、かみさまがせっせとてがみを、よるおそくまでかいていらっしゃいました。

そして、かきあげると、まどからふきとばされました。

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かみさまは、だれにてがみをかかれたのかですって?

そう、それはね、ぜんこくのどうぶつたちに、1まい1まいおなじことをかいていらっしゃったのです。

かみさまのてがみは、かぜにのって、どうぶつたちのところへとどきました。

かえるのかぞくも、さるのかぞくも、みんなよみました。

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そうです。きょうは、12がつの31にち。

おおみそかという、1ねんでさいごのひでした。

かみさまのてがみは、ぞうさんも きりんさんも ゆきおとこも らいおんも

とらも ねずみも へびも にわとりも、みんなみんなよみました。

「え〜、なになに、お、し、ら、せか!

『あしたのおしょうがつのあさ、いちばんはやくきたものから、じゅんに12ばんめまでを、

1ねんこうたいで、どうぶつのたいしょうにします。 か、み、さ、ま』
 だってさ。」

「わ〜い、がんばらなくっちゃ!!」「うん、そうだね。」


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もりのどうぶつたちも、みんなみんなよみました。ところが、ここに1ぴき、

のんびりやのねこだけがなんにもしりませんでした。いたずらもののねずみは、

「あさってね、かみさまのところへあつまるんだよ、ねこくん」

ねずみくんて、しんせつだね。ありがとう。」


ねこはだまされているともしらず、おれいをいいました。

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さて、あしたにそなえて、みんなははやくやすみました。

でも、うしさんだけは、ゆうがたから、「わしはのろいから・・・。」 と、しゅっぱつ。

ねずみはずるくうしのせなかに。

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よるがあけると、どうぶつたちはみんなしゅっぱつしました。

おおぜいのしんせきにみおくられて、かえるのおとうさん。

いぬさるとらひつじうま

ところが、なかには、ついねこんでしまって、ちっともおきようとしないどうぶつたちもありましたとさ。

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へびもはしっていきました。

うさぎもはしってやってきました。ねぶそくのめをこすりながら。だから、めがまっかっか

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  いぬさるは、はじめはなかよくはしっていましたが、

だんだん、まけるものかときょうそうになってきて、とうとうけんかをするようになりました。

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1ぽんばしでも、あいてにまけまいとして、おたがいにゆずりません。

とうとうはしがおれてしまいましたとさ。

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はやくにあるきはじめたうしさんが、はつひのでといっしょにすがたをあらわしました。

「へっへぇ、わしが1ばんか。も〜、へっへっへ。」

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「かみさま、おめでとうございまちゅう!」


なんと、うしのせにのった、ちゃっかりねずみが1ばんにかみさまにあいさつしました。

うしはおこって、ねずみをぼいん・・・。

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さて、しんねんのひもたかくあがりました。かみさまは、

「1ばん、ねずみくん。2ばん、うしくん。」

つづいて、とらうさぎたつへびうまひつじさるとりいぬ

そして、いのしし・・・をじゅんばんにはっぴょうされました。

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   かえるのおとうさんは、13ばんでした。かなしくかえることになりました。

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さて、かみさまをかこんで、12したちのさかもりのはじまりです。

「なんちゅうしあわせ!!」ねずみはごきげんです。たつとらもごきげん。

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いぬさるはまだけんかをつづけておりました。

  ところでそのとき、ねこがものすごいけんまくであらわれました。

「う〜ん。おのれ!!ねずみのやつ・・・。」

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「よくもだましたな!」


ねこはねずみをおいかけました。

こうしてにぎやかにはじまったえんかいをよそに、ねずみは、ねこにおいかけられていました。

そうして、12しにいれてもらえなかったときのことをおこって、

ねこはねずみをずうっとおいかけているんだということです。

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♪ おしまい ♪


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